ウォーターサーバー各社の有無言わせぬ値上げについて

ウォーターサーバー各社が続々と値上げをしています。
主要なワンウェイウォーターサーバーメーカー概ね値上げを行ったようです。

コスモウォーター、フレシャス、プレミアムウオーター、うるのん、クリクラミオ・・・とにかくほぼ全部です。
値上げの背景には宅配便費用の上昇があります。ですからある程度の値上げに関しては理解せざるを得ないとくまおさんは思っています。
ただ、先日こんなメールがくまおさんのもとに届きました。

※情報元に配慮して多少文章を変更しています。

「突然のメール恐縮です。先日、サーバーを買取契約しているメーカより水の値上げの案内のハガキが届きました。
解約には違約金が発生しますし、ハガキ1枚の連絡で値上げをするなんて酷い会社だと思っております。
このような事が当たり前の業界なのでしょうか?
消費者庁にも相談しようとは思っておりますが業界として当たり前のことなら多少諦めも付きます。変な質問をしてすみません。」

おっしゃる通りだと思います。はがき一枚で一方的に値上げの通知をして、それが嫌なら解約金というのはいただけません。
良くないと思います。良くないけれども受け入れざるを得ないのがユーザーです。
この案件に関してはユーザーとして取れる防御策はない為、最終的にはユーザーが折れる以外の選択肢がないのですが・・・

今回はその事情をお話しします。
くまおさんは以前の仕事でウォーターサーバーの利用規約を作ったことがあります。
その際には会社の法務部を交えて、最終的には弁護士のお墨付きがついて完成します。
利用規約はあらゆる事態を想定して作成します。基本的には先行している業者の利用規約を参考にして自社サービスと照らし合わせながら、足りない部分を補ってゆく作業です。
要するに、顧客と揉めた際に逃げ切れるように考えて作成します。

今回の一連の値上げに関しても当然想定の範囲内です。
値上げを顧客に一方的に通知することに関してもカバーした利用規約になっていることが一般的です。
そして、顧客は契約時にその利用規約に同意しなければならないことになっていますので、ウォーターサーバー利用者は突然の値上げに関し、文句を言うことが出来なくなっています。どうしてもいやならば解約すればいいのですが、解約に関しても解約金で縛られている為、逃れることが出来ません。

う~ん・・・納得できませんよね。規約を作っていた側のくまおさんが言うな!って話ですね(笑)

ちなみに、宅配便を利用しているワンウェイ系ウォーターサーバーの製品であるお水の原価は大したことはありません。一番大きい原価は配送料だといえます。
ウォーターサーバーで配送される荷物の大きさは一般的に12kg×2箱=24kgです。プラス箱の重さや容器の重さ等がプラスされるので25kg以上になります。
宅急便で設定されているのは20kg(※25kgかも)までなので、本来であれば取り扱ってもらえないサイズです。
今まではそれをなんとなく現場判断で取り扱っていたという事です。

実は多くの宅配会社で20kg以上の荷物は別の宅配便扱いになり、宅急便とは違い時間指定等が出来なくなります。
しかし、それでは今まで顧客に約束していたサービスを提供できなくなります。
ワンウェイ系ウォーターサーバーメーカーはサービスの重要な部分を担っている宅配に関して、完全に外注していたため配送会社の値上げ要求を受け入れざるを得ないという構図になります。

ウォーターサーバーメーカーは通常の定価よりも、かなり安価で配送料金を契約しています。
例えばくまおさんが20kgの荷物を発送しようとすると、概ね2,000円前後の配送料がかかります。
おそらくウォーターサーバーメーカーは数百円で今まで契約していたのではないかと思います。しかし今回の一連の値上げで1,000円を超えてきている可能性あります。
例えば今までは「20kgサイズの送料を適用していたものの、これからは厳格に25kgサイズの料金を適用しますよ」と言われているかもしれません。

この辺りは一連のヤマト運輸&日経新聞の情報操作工作が勝利したといえます。
※少し前にくまおさんが書いた記事です。参考にどうぞ。
ヤマト運輸値上げ一連の流れにはPR会社が絡んでいるのではないか

ですから、消費者としては納得できないし、したくないけれども受け入れざるを得ないという状況です。

一方でリターナブルメーカーに関しては値上げを発表していません。
クリクラやアクアクララ等です。彼らは基本的に宅配会社は利用せずに自社従業員や代理店組織によってお水の配送を行っています。その為、今回の宅配料金値上げに関しては直接的に影響を受けておらず、価格を据え置いています。
この機に乗じて価格を上乗せする会社もあるかな~と思って見ていたのですが、今のところそのようなことはないようです。

ワンウェイ系の度重なる値上げによって、リターナブルメーカーとの価格差がかなり大きくなりました。
くまおさんは兼ねがね「水の味は人間の味覚では判断できない」と言い続けてきました。これだけ価格差が開いてしまうと、わざわざイメージだけで天然水のウォーターサーバーを選ぶ必要が増々なくなってきます。
これを機にリターナブルメーカーに乗り換えるという事も選択肢としてはあり得るでしょう。

ただし・・・様々な方面の販促方法やコスト、予算を鑑みるとまだしばらくはワンウェイ系の快進撃が続くと考えられます。
そして中期的にみれば、配送料の問題は自動運転によってある程度解決すると思います。
配送に関してはウォーターサーバー業界だけの問題ではありませんから、様々な研究資金が流入してくると思います。製品が単品(お水のみ)で、とてもシンプルな為自動運転や自動積み込み、自動荷下ろしなどにも適用しやすいのではないでしょうか?ただこれは少し先の話です。

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