ウォーターサーバーってなんで売れているのかな?それと雑談日記

こんにちは。
くまおさんはウォーターサーバーメーカーに長年在籍していたので、なんとなく一般ユーザーの感覚が分からなくなってくるんですよね。
そこで、ウォーターサーバーは何故売れるのかな?って事を考えてみます。
ちなみにこの記事はウォーターサーバーを検討しているユーザーさんにはあまり関係ない記事なので読み飛ばしてください。

①重たい水を店舗から運ばずに自宅まで配送してくれる
②サーバーを使うことで冷水と温水がいつでも利用できる
③安全なお水が飲みたい

 
それとイメージの問題。震災前までは贅沢品というイメージが強かったのですが、その意識が震災後に一気に変化して必需品というイメージに変わったのではないかと思います。とはいっても一般家庭の普及率は5%程度なのでユーサーにとってはまだまだステータス性があるのも事実ですね。

ユーザー層は20代後半~40代前半で、小学生から中学生までの子供を持つ家庭が最も多いです。
業界に身をおいていた者として感じるのはやはり東日本大震災がウォーターサーバー業界にもっとも影響を与えたなということです。確かに震災前からウォーターサーバー業界は急拡大しており順調に成長していました。
もしも、業界を人間に例えるなら・・・変な例えかな???

震災前は幼稚園児でした。そろそろ自分で物事がこなせるようになってきた時期。まだまだ自分では出来ないことも多い。
それが震災を期に一気に小学生になった感じ。自分の身の周りのことは自分でこなせるようになってきました。でもまだ自分だけでは生きて行けない。。。2015年現在は小学生高学年位でしょうか。

なんとも抽象的な表現でごめんなさい。さて、話をもどしてウォーターサーバー業界について考えてみます。

少し前まではウォーターサーバー業界で覇権を競っているのは、クリクラとアクアクララの2社でした。それが近年のアクアクララの急激な失速とコスモウォーターやクリティアの台頭で事情が変わっています。

とはいえそれでもまだまだこの2社の影響力は絶大で、両社で市場の40%のシェアを持っています。

ちなみにクリクラの運営元であるナックは、アクアクララの代理店で全国NO,1の実績を有していました。しかしアクアクララに設立から関与した三井物産の担当者が、アクアクララの粉飾を誘導し2004年11月負債総額122億円で破綻(設立は2000年3月)してしまったのです。その当時ナックはアクアクララと共同で事業を全国展開するべく計画中でした。

ナックはアクアクララの事業を引き継ぐ意向を示しましたが、最大の債権者で株主であった三井物産がカマタ(=レモンガス=現アクアクララ)に譲渡させた経緯があります。ナックは元々ダスキンの大手代理店だったこともありダスキン本部との兼ね合いもあったようです。

そこでナックは、クリスタルクララという名前で独自ブランドを立ち上げます。ナックは当時アクアクララ最大の販売代理店で影響力も絶大でした。そこでアクアクララとフランチャイズ契約していたその他企業の約半分がアクアクララから離脱し、クリスタルクララグループに合流しています。なお、クリスタルクララのブランド名はその後クリクラに変更されています。
作州商事やエルゼ(クリーニング・マット)などの会社も、アクアクララの破綻後クリクラグループに転じています。
当時はアクアクララが圧倒的優勢でしたが現在では立場が逆転しクリクラが優勢です。

とまあ、これまでのウォーターサーバー業界はこの2社が天下の覇権を争っていたわけですがそんなことは関係なくワンウェイと言われるビジネス手法が急激に拡大してきます。コスモウォーターやクリティア、フレシャスのことですね。
クリクラやアクアクララは「リターナブルボトル」と呼ばれるボトルを採用しています。使い終わったボトルを回収して、洗浄して再利用するのという仕組みです。その為事業運営をするには、各家庭や企業などに個別配送するので、事業展開エリアをカバーできる配送網を持っていなければそもそも事業を運営できません。配送用の車両や人材も自社で用意しなければならないため、一定の資本力がある企業でなければ展開するのは難しいサービスといえます。

 一方で、「ワンウェイ」と呼ばれる販売手法は、水の生産地からユーザーのもとへ直接発送するという仕組みで、配送には外部の物流事業者のシステムを利用します(ヤマトとか佐川とか)。ボトルの形状も工夫してあり一度使ったボトルは再利用はせずユーザーが処分します。

ゆえにボトル回収の手間も掛からないという画期的なシステム。簡単に言うと、受注を取ってどんどん送るという仕組みのため、倉庫、車両、人材を最小限に抑えられるわけです。これが震災後大当たりしました。コスモウォーターはその波に乗ってどんどん事業拡大。一気に業界3位まで上り詰めます。トーエルや岩谷産業、ダイオーズ等のリターナブルメーカーをごぼう抜きです。
そして2015年10月15日にオリックスへ事業売却することで、オーナーは見事大金を手にするというジャパニーズドリームを実現したわけです。

事業主から見たワンウェイの利点は、大きな資本力のない企業でも容易に参入できるという事。
リターナブルはこれから苦境に陥ってゆくかもしれません。そんななかクリクラはワンウェイビジネスに手を出しましたね。
それがクリクラミオ。富士山の天然水をワンウェイでしかも業界最安値クラスで展開しています。こちらは順調に顧客数が増えているとのこと。アクアクララはサントリーと業務提携をしてワンウェイでなおかつ天然水を手に入れたのですが、顧客数が伸びずに提携解消です。
ますますクリクラとアクアクララは差が開いてゆくでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る