あの時は本当に大変だったよ・・・

忘れもしない東日本大震災。世間では経済活動が自粛モードでしたがウォーターサーバー業界は大フィーバーでした。
本当に大変だった・・・

注文殺到で電話・ウェブがパンクするし・・・
福島原発事故で放射性物質が漏れ出した影響でウォーターサーバーの需要が急激に高まったわけです。正確にはウォーターサーバーと言うよりは安全なお水の需要が高まったというのが正しい認識ですが。

当時のトップブランドはアクアクララとクリクラ。この2社の情報が入手できたので公開しますね。

アクアクララでは地震があった3月11日以降、急速に受注が増えました。
既存会員では、12リットル入りレギュラーボトルで1カ月3本程度が平均的な消費量ですが、震災後は10~20本の受注が相次いだ様です。新規会員も当然ですが爆発的に増加し、地震翌日から通常の倍に当たる申し込みがありました。

その需要が更に爆発したのが3月19日。1都5県の水道水から放射性物質が検出されというニュースが首都圏に流れ、新規申し込みが通常の10倍に跳ね上がっています。さらに23日に東京都金町浄水場で乳児の取水制限が通達されたことを受け、わずか1日で1カ月分の申込数にまで膨れ上がります。東京23区のエリアを担当するアクアクララレモンには申し込みや問い合わせの電話が殺到し、通常は1日平均500~600本の入電に対し、取水制限翌日の24日には通常の120倍にあたる7万4000本の入電数にまで増加したとの事。まさにフィーバーです。

 コールセンターも同様で、多い時期で1日に5000本程度の問い合わせが入ってきたそうです。とは言え、これらすべてに対応することは不可能で、消費者はどこにかけてもつながらない状態となりました。

またインターネットにもアクセスが集中したため、ウェブサーバーが一時的にダウン。こんなことはあとにも先にありません。
そして、近隣の住人が直接同社に申し込みにやって来るというパニック状態になったとの事です。

一方、クリクラの運営母体ナックでも震災による受注増はほぼ同じです。3月23日の時点では1日に5万件の新規申し込みがあったと言われています。ピーク時の24日にはコールセンターのアクセス数が1時間で1万5000件、1日で10万件以上に達し、対応は不可能な状態に。あとから聞いた話だと、この時の顧客を捌き切るのに約半年かかったそうです。

通常の新規問い合わせ件数が1日1500件であるのに比べると67倍の伸び率です。さらにアクアクララ同様、ホームページ経由の申し込みも急増し、23日の新規申し込みは1万件以上で、24日以降はさらに倍以上となっています。

その当時、ワンウェイメーカーが本領を発揮します。

コスモウォーターやウォーターダイレクトは水需要の高まりを受け、ワンウェイならではの施策を展開します。緊急時の臨時措置として、ボトルだけの販売を開始したのです。取水地が富士山を起点に西エリアにあったためユーザーは安全なお水を求めて多少割高でも、この2社のお水に飛びつきました。
完全にワンウェイの一人勝ち状態です。回収の必要がなく全国に“送りっぱなし”でいいため、こうしたイレギュラーな施策も可能だったと推測されます。
クリクラやアクアクララはあくまでもサーバーとセットでの販売に固執したため、機会損失をしたことは否めません。

これがウォーターサーバー業界特需の真相ですが、この影響も1年程度で収束に向かい現在はコスモウォーター、クリティア、フレシャスを除いてどのメーカーも顧客増加がストップしています。
コスモウォーターはウェブでの受注をほぼ独占していますが、顧客母数が増えてきたこともありそろそろ次のステップを考える時期に差し掛かっていると言えるでしょう。

当時はね本当に大変だったの・・・マジで・・・人が殺到するんだもの・・・しかし、喉元すぎれば熱さ忘れると言われるように一般ユーザーはもうすっかり震災のことは忘れてしまったようですね。備蓄水の必要性もあまり考えなくなってしまいましたね・・・残念です。。

なんてね・・・ちょっと業界評論家っぽく語ってみました。ちゃんちゃん。

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