ウォーターサーバーの安全性に関する調査 (東京都)

実は東京都が平成25年にウォーターサーバーに関する安全性試験を行っています。

くまおさんが在籍していたメーカーもその対象となったため、当時の担当者はよく都庁へ出かけていました。そもそもなぜそのような調査が行われたのかというと、震災以降急成長するウォーターサーバー業界について行政が黙っていられなくなったといったところでしょうか・・

テストの目的としては、こんなことが書いてあります。

「ウォーターサーバーは本体をレンタルし、水ボトルを定期的に宅配により購入する方 式が一般的で、2011 年の東日本大震災以降、飲料水への不安や備蓄のためにと需要が 高まっている。その一方で、2011 年 3 月以降、都内の消費生活センターに寄せられる 相談件数は急増している。

その中には、危害・危険に関する相談も 21 件(PIO-NET において 2006 年 4 月~2013 年 1 月に受け付けた相談のうち都が独自に集計)寄せられている。ウォーターサーバー のトラブルは、大きく3つに分類できる。 1.子供がいたずらしてお湯で火傷を負ったなどのチャイルドロックの問題 ・チャイルドロックを掛けていたが息子が触り熱湯で火傷した。 2.異物が混入していた、下痢をしたなどの衛生上の問題 ・乳児のミルク用と広告表示されているミネラルウォーターを 11 カ月の乳児に 飲ませたら下痢をした。 ・宅配の水を購入しているがサーバーに取り付けた容器の水の中に白いかびが浮 く。 3.裏側の金網で手を切った、ウォーターサーバーが転倒したなどの構造上の問題 ・1歳の子供がウォーターサーバーの背面の金網で指を深く切るけがをした。 ・ウォーターサーバーを設置したが、ふらついた時につかまって、製品ごと倒れ てけがをした。 今回は、ウォーターサーバーの安全性についてチャイルドロックや構造上の問題など を中心に調査を行った。」

※ウォーターサーバーの安全性に関する調査より引用

 

とまあ色々と書いてあります。そして実際に試験対象となった会社が5社あります。会社名は公表されていませんがプロが見るとその会社かわかります。5試験体

  1. クリクラ
  2. アクアクララ
  3. コスモウォーター
  4. トーエル
  5. クリティア

だったかと思います。。。ごめんなさいうろ覚えで・・・いずれも顧客数の多い会社ですね。ちなみに、この調査は結論としては「まあOK」という事でした。

大きく分けると「チャイルドロックの安全性について」「水質の安全性について」「地震時の転倒について」の試験を行っていますが、いずれも「まあOK」です。

チャイルドロックに関して語りだすと長くなりそうなので・・・それはまたの機会という事で、今回は水質検査に関して解説してみます。

こちらが試験体1(クリクラ)の水質試験結果です。

試験体1水質

さあ、ややこしいでしょ(笑)。簡単にまとめると「問題なし」です。

では次にコスモウォーターの水質検査についてです。それがこちら。。

試験体5

とまあ、こちらも水質に関しては特に問題ありません。

そして次の調査が一般細菌調査。これは少々気になる項目があります。

一般細菌

試験体3(コスモウォーター)と試験体4(トーエル)のお水から一般細菌が検出されています。一般細菌というのはそこまで気にする項目ではなくお水の清浄度を測る物差しのような指標です。ですからあまり敏感になる必要はありません。それは下記でも説明されています。

「一般細菌は、水の一般的清浄度を示す指標として用いられているが、直接病原菌との関 連はない。ただし、多量に検出される場合に病原生物による汚染を疑うこととなる。水道 水や飲料水の製造基準である原水では一般細菌が検査項目に含まれているが、製品である ミネラルウォーター等の成分規格には一般細菌は含まれていない。そのため、ウォーター サーバーのボトルも同様に食品衛生法等では一般細菌については対象となっていない。 」※同調査資料から引用

とは言っても気になるとは思います。この調査ではお水そのものの問題ではなく、配管等に付着した細菌が検出されているのではないかと結論づけられています。コスモウォーター系列、クリティア系列はサーバーメンテナンスを行わない為、このリスクは高いといえるでしょう。

 

ウォーターサーバーは色々と情報が錯綜しています。ウェブ上にあふれているウォーターサーバー情報サイトは素人が書いたものがほぼ100%です。詳しい業界情報は業界内部者でないと分からないからです。上記のような試験が実施されていることすら把握していないでしょう。

 

このサイトに訪れる方には是非とも正しい判断をしてもらいたいと思っています。

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